冨岡義勇 怪我 小説。 触れたいけど、触れさせたくはない【冨岡義勇】

そこへ鎹鴉がやってきて、北の雪山で鬼の被害が出ているから討伐へ向かうように伝令がくだされる。

付き合いの悪いものもいるが、そういう時は事情を察してやって、あまり立ち入らないのが作法と言えた。

月はいまだ中天にある。

鎹烏に案内されて鬼の居る場所に向かうと、地面にたんたんと血痕だけが残されていてもぬけの空だった。

「本体はどちらに」 「近くにいる」 冨岡はそう言ってすっと雑木林の方を指差した。

「ああ、」 かすれた声が喉からこぼれ落ちた。

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「お館様の勘は相変わらずとんでもねェなァ? 流 ながれ に恋猫よォ」 「本当よね! 何度も任務を共にこなし、冨岡義勇という人間に触れる度に、カナエはどんどん彼に惹かれていった 甘えているのだろうか
しかも、冨岡の技はまだ完成に至っていないことがありありとわかる あと、こんなに義勇が喋るのもこのシーンだけです
あの二人ならば、必ず己の死を無駄にはしないだろう 見つかったのは子供の姿をした鬼だった
不覚にも涙がでそうになるほど、『守れた』ということが冨岡義勇にとって嬉しかった いくら斬っても意味がない」 横の細道から冨岡が現れて言った
「こいつらは分身だ 手足は不能で何も出来ないが、首から上は無傷で口だけはよく回るので、見舞いの客との語らいで無聊を慰めていた
それを冨岡は不気味に感じることなく、寧ろ好ましいとさえ感じていたものだ いやはて、と椿は思い直した
同情を誘って隙を見つけるつもりだったのだろうが、滑稽甚だしい やはり様子がおかしい
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それに、明道以外にもお館様や鱗滝さん、真菰がいる。

そして、炭治郎は吠えるように叫ぶ。

それが極限の鍛錬の成果を理解できるゆえに。

椿も同期の何人かと連絡を取り合っている。

しかしこれまでの言動から、自分から絶対に離れたくないのだということだけはよく分かった。

苦い想いが胸を充満する。

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